毎日だるい、疲れが取れない、集中力が続かない…。そんなお悩みがある方は、もしかしたら「ビタミンB1」が不足しているのかもしれません。
ビタミンB1は、私たちの体を動かすエネルギーづくりに不可欠な栄養素であり、その働きは美容や健康にも深く関わっています。しかし、水溶性で体に溜めておくことができないため、毎日の食事から意識して摂る必要があります。
この記事では、ビタミンB1の重要な役割から、不足するとどうなるのか、そして効率的な摂取方法までを、管理栄養士の視点から詳しく解説します。
ビタミンB1の主な働きと効能
ビタミンB1は、体内で主に以下の2つの重要な役割を担っています。
1. 糖質をエネルギーに変換する
ビタミンB1の最大の役割は、私たちが食べた糖質(炭水化物)をエネルギーに変換することです。
ご飯やパン、麺類などの主食に含まれる糖質は、活動の主要なエネルギー源となります。ビタミンB1は、この糖質がスムーズにエネルギーとして使えるようにサポートする補酵素のような働きをします。
2. 神経機能や脳の働きを正常に保つ
ビタミンB1は、神経機能や脳の働きにも深く関わっています。脳は、ブドウ糖(糖質が分解されたもの)を唯一のエネルギー源としています。ビタミンB1が不足すると、脳に必要なエネルギーが供給されず、集中力の低下やイライラなどの症状につながることがあります。
ビタミンB1が不足するとどうなる?
現代人は、ストレスや飲酒、加工食品の摂取などにより、ビタミンB1が不足しがちです。不足すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 疲労感・倦怠感: 食べたものがエネルギーに変わらないため、疲れが取れにくくなります。
- 食欲不振: エネルギー不足が続くと、体がこれ以上糖質を取り込まないように食欲を抑制することがあります。
- 集中力の低下・イライラ: 脳へのエネルギー供給が滞り、精神的な不安定さにつながることがあります。
- むくみ: エネルギー代謝が滞り、老廃物が溜まりやすくなることでむくみやすくなります。
- 脚気(かっけ): ビタミンB1の重度の欠乏症です。手足のしびれ、むくみ、動悸などの症状が現れます。
ビタミンB1を効率的に摂るためのポイント
ビタミンB1は、水に溶けやすい性質を持っています。以下のポイントを意識して、効率的に摂取しましょう。
1. ビタミンB1が豊富な食材を選ぶ
特に豚肉には、他の肉類に比べて圧倒的に多くのビタミンB1が含まれています。
- 肉類: 豚肉(特にヒレ肉やもも肉)、レバー
- 豆類: 大豆、えんどう豆
- 穀物: 玄米、全粒粉パン、そば
- 魚介類: うなぎ、たらこ
- 種実類: ピーナッツ
2. にんにくや玉ねぎと一緒に摂る
ビタミンB1は、にんにくや玉ねぎ、ニラなどに含まれる「アリシン」という成分と一緒に摂ると、吸収率が格段にアップします。アリシンがビタミンB1を安定した形に変えることで、体内への吸収を助け、持続的な効果が期待できます。豚肉の生姜焼きに玉ねぎを入れたり、豚バラとにんにくの炒め物を作ったりするのがおすすめです。
3. 調理法を工夫する
ビタミンB1は水溶性のため、煮たり茹でたりすると水に溶け出してしまいます。スープや汁物にして、溶け出した栄養素も一緒に摂るようにしましょう。また、焼いたり炒めたりする調理法もおすすめです。
まとめ
ビタミンB1は、疲労回復やダイエット、美肌など、私たちの健康を多方面からサポートしてくれる重要な栄養素です。現代の忙しい食生活では不足しがちなため、日々の食事で意識的に取り入れることが大切です。
豚肉や玄米、豆類などを積極的に摂り、元気で健康的な毎日を送りましょう。